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  • 2018/08/18 (土)
  •  頻発する自然災害に抗し、復興の実現に支援は不可欠だ。援助の大本たる善意は高邁ながらも身近で、規模の大小は価値と比例しない▼阪神淡路大震災、東日本大震災はじめ、九州では熊本地震に北部豪雨など、災害は常にわれわれの足元に存する。したがって郡市にも各種奉仕活動従事者は多かろう。“情けは人のためならず”。あすはわが身と考えて謙虚に、そして恕の意識が気付きを授けてくれる▼無償の奉仕をボランティアという。過去の災害で問題視されるのが「善意の押し付け」だ。義援金や物資の提供、また復興作業などの労役につき「…してやっている」などの上位者意識は弊害でしかない▼中には利益誘導や売名行為も散見する。被災者の心情を考慮しないパフォーマンスと救済効果は二律背反であり、その良悪は一方的に断じられない。それ故に配慮が不可欠だ▼過日、広島県呉市の復興作業に従事した。現地の指示に従い寡黙に汗する、持続性の価値に気付く。身勝手なボランティアの言動もまた“他山の石”である▼自己充足せず、他人に強要せず、控えめで寡黙、常に心を受け止める覚悟こそボランティアには欠かせない。貴重な学びの機会に感謝だ。

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