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  • 2025/12/11 (木)
  •  師走に入り10日を過ぎた。見方を変えればあと20日程度で新年だが、その前にはクリスマスが鎮座する。山積する迎春準備を思えば、気ぜわしさに拍車がかかりそう▼新年の準備といえばまずは大掃除に正月飾りなどの手配。次に家族らの帰省とそれに伴う食材確保や段取りがある。正月にいただくおせち料理、雑煮とは別に日々の食事が必要となれば奥さま方のご苦労、いかばかりと低頭ぎみ▼一方、力仕事は別にわが家では夫の重要任務が年賀状の作成だ。周囲で進む“じまい”の流れに呼応し、数年前から送り先を徐々に控えるが長年の伝統習慣を断念、すぐに打ち切る覚悟はいまだ湧かず。過去のデータに目を細めながらのまったり作業ゆえ、ことしも遅れそう▼古くは平安期より続く年賀状の習慣。今やSNS全盛で、年始あいさつが日常会話の延長に位置すると思えば何とも味気ない。しょせんはアナログ人間のたわ言と前置き。年賀状は即時性に欠け、手間と経費はかかるが新年ならではの伝統文化に込められた人々の思いは温かい▼文字は本来、「打つ」のではなく「書く」もの。ことしはスマホをペンに持ち替え、誰かのための一枚に挑戦してみてはどうか。

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