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2025/12/08
(月)
- 「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」。自民党総裁に選出された後に高市早苗首相が放った言葉が、ことしの「新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれた▼この言葉は自民党の所属議員に向けられたものだが、過労死遺族らが抗議するなど物議を醸した。表彰式に出席した高市首相は賛否両論あったことを認めた上で「日本国家の経営者として皆さまに貢献したいという思いだった」と振り返った▼「新語・流行語大賞」のトップテンには「緊急銃猟/クマ被害」や「トランプ関税」「古古古米」などことし話題になった言葉がずらり。候補30語に選ばれていた「物価高」はトップテンに入らなかった▼「働けど働けど猶わが生活(暮らし)楽にならざり ぢっと手を見る」は、天才歌人とうたわれたが貧苦と不遇にさいなまれた人生を送った石川啄木の代表作。率直に生活苦を歌い素朴な心情を吐露。ストレートな表現は多くの人々の心に響いた▼食料品の相次ぐ値上がりなど終わりを見せない「物価高」の中で、国民からそんな“嘆きの歌”が聞こえてこないよう高市首相には「働いて働いてほしい」ものだが、くれぐれも働き過ぎにはご用心を。