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2026/01/20
(火)
- 15日の「小正月」にちなみ、人吉球磨独特の風習であるシュンナメジョ作りを取材した。昭和初期には各所で見られたが、近年は一部の地域で残るのみ。俵に人型の飾りを挿す園児を見ながら伝統文化の継承の大切さを実感▼錦町の福島保育園は、人吉市の郷土史家・益田啓三さんを講師として初めて招いた。過去に渋谷敦さん、前田一洋さんなど4人が講師を担当した同保育園の恒例行事。益田さんの話は江戸時代の米事情を交えた内容で、新たな側面を知ることができた▼地元を愛する彼らは古文書などさまざまな文献を活用し、人吉球磨の歴史をつなぐ。現在の課題はその膨大な史料の保存方法。個人では限界があり、益田さんは博物館の整備など行政の支援を求めている▼「いいくに作ろう鎌倉幕府」の語呂合わせで知られるように、同幕府は1192年に成立したと学んだが、その後の研究で現在は1185年を採用する教科書もある。過去の事実がいつ解き明かされるかは分からない▼伝統行事が時代とともに廃れると、いつか失われてしまう。当時の人が何を思い、続けてきたのか。それを知る手がかりを引き継ぐのは今を生きる人の責務だと肝に銘じて。