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2026/05/16
(土)
- きょう5月16日は「旅の日」。俳人の松尾芭蕉が奥の細道に旅立った同日(陰暦元禄2年3月27日)を、日本旅のペンクラブが昭和63年、旅について考える日として制定▼江戸時代の旅といえば、当然ながら徒歩が中心だったが、明治時代に入って全国に鉄道が延びると、日本の産業発展とともに鉄道を利用した旅も庶民に広がり、各地に名物駅弁も生まれた▼特に周囲を山に囲まれた郡市にとって肥薩線の開通は、経済や観光発展に大きく寄与。当時の様子をうかがい知ることができるのが、明治41年に人吉実業倶楽部が発刊した「人吉案内記」▼肥薩線開通に合わせ、人吉球磨の名所や魅力を紹介したガイド本。18年前、人吉商工会議所が作成した複製版を開くと、鉄道旅の観光客を郡市に呼び込もうという、業界関係者の熱意が伝わる▼その肥薩線もマイカーの普及に伴い利用者は減少し、豪雨災害で不通となって6年。多くの観光客を運んできたSL人吉も引退したが、9月には一足早く、くま川鉄道が全線運行を再開する▼旅の醍醐味は、その地域の名所だけでなく人とのふれあい。118年前の先人たちが願った、多くの旅人が足を運ぶ魅力ある地でありたい。