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2026/01/29
(木)
- きょう29日は、明治5年に日本初の戸籍調査が実施された「人口調査記念日」。150年余りの時を経て、今、球磨村が令和2年7月豪雨から直面する著しい人口減少はあまりに重い▼25日投開票の村長選、村議選の最中、災害公営住宅がある高台から渡地区を見渡せば、遊水地化に向けた造成工事の土煙が舞い、大型ダンプが行き交っていた▼そこには、村の未来のために住み慣れた土地を離れた人々の喪失感が漂う。村外へ流出した世帯の思いも、単なる統計上の数字では計れない▼選挙期間中、ある村民は「豪雨災害で亡くなった人がいたのを忘れたのか」と憤りの声を上げた。今回の村長辞職、議会解散に伴う選挙を招いた村政混乱は、犠牲を払って復興を待つ人々の心を傷つけた▼初当選した大岩禎一新村長に託されたのは、この深い傷を負った村政の「正常化」。ハード整備が進む一方で、置き去りにされがちな「心の復興」をいかに成すか。村の再生とは、そこに住む人々が再び誇りを取り戻す過程に他ならない▼人口調査記念日に当たり、新村長には亡き人への鎮魂と住民の願いを背負い、信頼の土台を築き直すことを切に願う。その挑戦にエールを送りたい。