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2025/11/15
(土)
- 「言葉には力がある」。そう教わったのは郷土ゆかりの作品を読む会の朗読会▼あす16日、犬童球渓顕彰音楽祭のフィナーレを飾る「音楽のひろば」が開かれる。合唱や演奏で老若男女が集う中、この日のために結成された特設合唱団も出演予定。9月に練習風景を取材した▼ことしも犬童氏が作詞した「故郷の廃家」「夏はゆく」「旅愁」のほか、合同合唱では「群青」を歌う。「群青」は東日本大震災を経験した福島県南相馬市の小高中学校の生徒と教員が言葉を紡いだ曲だ▼「見える景色は違っても/遠い場所で君も同じ空/きっと見上げてるはず」―。震災後、離れ離れになった友達への思いを書き留めたという。卒業式など各地で歌われ、遠くまで、大切な全てに願いが届くようにと響き渡る▼特設合唱団の取材で1年ぶりに再会したこの歌。「当たり前が幸せ」という歌詞に令和2年7月豪雨で被災した人吉球磨の景色が重なる。“当たり前”とは“有り難い”“尊い”もの▼言葉は心を揺さぶり歌は時間や距離を超える。あすの「音楽のひろば」は人吉市カルチャーパレスで午後2時開演。人吉球磨にまかれた音楽の種。来年の第80回に向けてぜひ来場を。