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  • 2026/05/28 (木)
  •  まずは夫婦、さらに親子間には少なからず感情の機微がある。読売巨人軍監督の娘への暴行逮捕の報にふれ、同じく娘を持つ身として彼の苦悩や意識の微妙な齟齬が安易に読み取れた。極めて残念▼その後の娘は、なぜか母親ではなく対話型の生成AIにすがっての警察出動だ。今どきらしい、Z世代といえば聞こえはいいが何とも後味悪く、ふに落ちない。事態が想像を超えた娘に浅慮の感は否めないが、決して暴力は許されない。家族のあり方が問われた出来事だ▼読まれた読者も多かろうが、直木賞作の「銀河鉄道の父」(門井慶喜著・講談社)を思い出す。概要は無償の愛情を注ぎ続ける父親と、これに抗する息子を通した葛藤模様。冒頭の監督。憔悴した会見の様子から、きっと過分な愛情を注いできたに違いないと推察した▼今回、日常的虐待被害者の子どもらは通報の有効性を学ぶ一方、加害者たる保護者に抑止効果は生まれないか。表面化しづらかった弱者救済の新手法となれば不幸中の幸いである▼励みになればと阿部元監督に贈りたい作品こそ、夫、父親の歯がゆさと無力感を余さず盛り込んだ太宰の私小説「桜桃」だ。ちなみに筆者の教訓譚でもある。

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