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2025/08/13
(水)
- あさっては「終戦記念日」。ことしは80年の節目として各地で戦争と平和を考える企画展が開催されている▼人吉市役所1階市民ホールで1日に始まったのはパネル展「戦争体験と平和への想い」。展示しているのは、15年前の戦後65年に合わせ、市が「戦争体験と平和の想い緊急調査事業」で収集した市民の戦争体験▼体験者の高齢化が進む中、戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代に伝えるため、遺族会、傷痍軍人会、戦争体験者へ体験の聞き取り調査を実施。調査結果は学校の副読本を兼ねた冊子と戦時下マップにまとめられた▼会場に並ぶパネルには終戦特集で取材した人も。南方の戦地の様子は貴重な証言であり、「生か死かは紙一重」の言葉は戦争の過酷さを物語っていた。名前を見れば、その多くが故人となっていた▼80年という時の流れを痛感し、体験者の声をもっと多く取材していればと後悔の念も。戦時を知る人がさらに高齢化し減る中、戦争の記憶をいかに次世代に伝えていくか。課せられた責務に感じる▼15日は熊本市で県戦没者追悼式、人吉市では花火大会が行われる。戦没者の冥福を祈り、夏の夜に咲く大輪が楽しめる平和な世に感謝したい。