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  • 2025/08/12 (火)
  •  例年、発災の多い7月初旬を無事にしのげて安堵もつかの間、九州各地で豪雨被害が発生。まずは天候の安定と被災者の早期救済を願う▼われわれが想起するのは5年前だが直近では能登半島、それ以前は西日本に九州北部など豪雨災害が続く。そのたびに全国から多くのボランティアが参集し、公助が行き届くまでの長期支援を実現してきた。情けは人のためならず。相互扶助の価値を知る国民ならでは、そこに希望と安心を知る機会を得てきた▼全国の被災地支援に赴く郡市在住の知人がいる。彼自身、5年前に被災し自宅を喪失したが先述の被災地を複数回訪問し、東北地方の支援団体との友情は今もなお続く。今回もすでに熊本と八代の両市を中心に、車両2台分の支援物資を配布済みだ。頭が下がる▼全国社会福祉協議会の資料では、熊本豪雨における延べボランティア数は約4万人。コロナ禍で県外来訪者自粛の中、1日当たり約650人が活動した。これは熊本地震の約3分の1の規模ながら、裏方で黙々と汗した数と思えば崇高だ▼見返りを期待せず、目前の苦しむ人々の救済を願う利他の心。行政担当者にこそ不可欠で自省すべきものと痛感の昨今。

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