HOME>>瀬音

  • 2018/05/28 (月)
  •  平成22年度から7期連続赤字が続き、同27年度から債務超過状態だったくま川下り(株)が、昨年度は同21年度以来8年ぶりの黒字に転じた▼経営健全化に向けた事業再生中だけに、関係者もホッと胸をなで下ろしたことだろう。しかし、安心するのはまだ早い。事業再生計画が軌道に乗ったわけではない。いわばこれからが本当の試練だ▼「新造船の取得」「船頭の確保および永年勤続できる体制づくり」「下流域のコース確保」「国民宿舎くまがわ荘に代わる新たな収益事業の開発」など難題が山積している。それらを解決していくためにも資金調達が最重要課題だろう▼筆頭株主である人吉市が無利子や無担保、償還期間は据え置き期間5年以内を含む20年以内を条件に市民の血税3500万円を貸し付けている好意を忘れてはいけないし、その恩に報いるべきだ▼球磨川下りは自然が相手で不安定要素が多いだけに、安定した収入を得るための事業の導入も必要だ。その知恵を市民から公募してみてはどうか。その中に事業再生のヒントが隠されているかもしれない。何よりすぐに行動することが肝要だ。郡市の観光目玉の一つの復活を心から願ってやまない。

トップへもどる