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2026/08/07
(金)
- ナシがおいしい季節になった。毎年、球磨村の「一勝地梨」を取材しているが、110年以上の歴史をつなぐ高品質と高信頼のブランド梨の生産方針に「消費者としての意識を持つ」がある▼品質や収量もさることながら、食の安全や適期出荷など、消費者が何を求めるかを考える。この一言に、一勝地梨が大正時代から脈々と継承され、地域を代表する特産物として令和の時代も続く理由が凝縮されているように感じた▼ブランドは時間の積み重ねだけでは成立しない。時流を読み、期待に応え続けた先に積み上げた信頼の厚さだと思う。既に甘くみずみずしくおいしいナシを、より甘く、よりおいしく、より大玉に。その時々の苦労と工夫が選ばれるナシを育てたと推察▼この言葉は新聞にも通じる。時代を読み、住民の目や耳、時には口となり関心や疑問、不安に応える。今般の熊本地震に令和2年7月豪雨の被災経験が重なり、命をつなぐ報道を改めて自問。「作るのは新聞紙じゃない。新聞だ」という先輩の言葉を思い返す▼「消費者意識」と「読者意識」―。丁寧な取材と執筆は大前提に、読み継がれる新聞像を思い描きつつ、爽やかな甘みをかみ締める。