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2025/11/06
(木)
- 秋の夜長に人吉市が展開している「あかりの社会実験」は、令和2年7月豪雨の被災前よりも魅力的なまちづくりに向け、市民と共に未来の街の姿を描く「復興の光」かもしれない▼満月で明るい夜の下、市街地周辺を散策した。国宝・青井阿蘇神社エリアでは、昼にはただのオブジェに見えた連なる木の柱が、夜になると神社と球磨川を結ぶ幻想的な光の参道となる▼また、人吉城跡は石垣のライトアップだけでなく、角櫓が暗闇の胸川に白塀を映し、「水に浮く」かのような夜景を演出している。さらに、中川原公園には、あのキャラクターのフォトスポットが登場し、にぎわいを創出▼しかし、散歩やジョギング中の市民、二次会へ向かう人々は見られたものの、魅力的な夜景スポットの多くで、人の姿はまだ少なかった▼主催である人吉市まちづくりデザイン会議は、この実験を通じて、将来の夜景整備に向けた具体的な検証を進めており、市民と事業者が共につくる復興の基盤となる▼人吉の夜景は、球磨川の自然と歴史を核に、災害を乗り越えて立ち上がる街の誇りを映し出す。この「復興の光」が持続的な「にぎわい」のまちづくりにつながる一歩となるだろう。