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2025/11/03
(月)
- きょう3日は秋の叙勲の発表があり、人吉球磨からは4人が受章された。喜びの声を取材すると共通するのが「感謝」▼実は筆者も過去に一度“勲章”をいただいたことがある。真ん中に金色の「賞」のシールが貼られた赤い折り紙のメダル。会社の自席に飾ったそれは、今も筆者に前へ進む勇気を与えてくれる▼7、8年前、新型コロナウイルス禍となる前は小学生が総合的な学習の時間の「福祉」で施設を訪問し、小紙もその様子を取材していた。児童は高齢者と一緒に遊べるゲームやプレゼント、学校紹介など、クラスで話し合って準備した▼ある学校は児童よりも訪問先の施設でサロンを利用する高齢者の方が多く、子どもたちは高齢者が1人1個ずつメダルを持ち帰れるように何個も作った。結果、2、3個ずつ渡しても余ることに▼次はサロンのスタッフに配っても余る。そこで1人の男の子が担任に小声で相談し、担任がうなずくと筆者に駆け寄り「きょうは取材に来てくれてありがとう」とメダルを掛けてくれた▼その学校は閉校し、高校生になった彼は忘れたかもしれないが、筆者の机には今も赤いメダル。文化の日、深まる秋に感謝を思い起こす。