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  • 2025/10/07 (火)
  •  古代中国のことわざに牝鶏晨すとある。めんどりが朝を知らせる、ひいては女性が権勢を振るう例えで、国家衰退の前兆などと指摘する。現代において同様の思考を持つとすれば時代錯誤もはなはだしい▼わが国では倭国を治めた邪馬台国の女王卑弥呼や、推古天皇ら歴代8人の女性天皇が存在する。いずれも男性社会における権力闘争の沈静化、皇位継承に絡む国の安定を考えての行動だ。すなわち女性トップの誕生はもっぱら社会混乱期、さらに必然の可能性もあろうか▼過日、自民党新総裁となった高市早苗氏はわが国初の女性首相となる見込み。一部メディアは連立が不可欠な少数与党、本人のイデオロギーを理由に“短命”と論じるが個人的にはこの際、内憂外患の諸問題への荒療は無論、政党システムの変容に期待▼かの松下政経塾の先輩で、立憲民主党の野田佳彦代表は高市総裁について「国家国民のことを真剣に考えているという意味では、背骨のある政治家」と評価。党利党略もあろうが国家を論じる高次元の政治は実現できないものか▼時代は牝鶏牡鳴である。大いに声を上げ、日本国民に希望の朝の到来を告げる存在にならんと願う。

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