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  • 2025/09/09 (火)
  •  ことわざに「立つ鳥跡を濁さず」とある。引き際の混乱を戒め、その潔さと美しさを勧める言葉だが、実践の難しさを痛感した石破首相の辞任劇▼決して“ヤメハラ”を受けたわけでもなく、むしろ選挙結果の責任を取らず続投に固執したためのドタバタ劇だった。振り返れば昨年10月の就任時には「納得と共感内閣」を掲げて「ルールを守る政治」を筆頭に日本、国民、地方、若者・女性の機会など、それぞれを守ると明言したが、進捗ぶりはどれも中途半端▼首相在任が11カ月では大したことはできないが唯一、記憶に残り期待できるのが防災庁設置案だ。台風をはじめ豪雨災害が毎年のように日本列島を襲うため同庁の必要性には強く共感するが、次期首相次第では消える可能性も払拭できず心配▼国のトップといえば米国大統領の場合、その個性的なキャラクターと愛国的言動には賛否あるが結果を伴い、国民の過半数が熱烈に支持するのは確か。官僚支配的な根回し習慣が色濃いわが国ゆえに、次こそは強烈なリーダーシップを発揮する人物がほしいところ▼結局、現政治と社会を招いた責任は主権者たる国民に大。後足で砂をかける無責任な言動は道断だ。

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