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2025/07/31
(木)
- ことしは戦後80年という節目の年。人吉球磨でも、戦争体験者から直接話を聞く機会が減ってきている。特に、長崎、広島で被爆した人たちが高齢化し、直接その生きた証言を聞き取り、紙面で伝えることが難しくなっている▼だからこそ、物が語る戦争の記憶も非常に重要。当時の暮らしを伝える品々や、戦禍を乗り越えた建物、資料などが、言葉では伝えきれない重みを持ち、未来を担う子どもたちに、戦争の現実と平和の尊さを教えてくれる▼戦争は決して過去のものではない。ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、世界各地で紛争、内戦が起こっており、日本においても平和は当たり前のものではないという意識を持つことが、これまで以上に求められる▼長崎で被爆し、山江村で31歳の生涯を閉じた美術教諭、深水経孝さんが描いた原爆絵巻「崎陽のあらし」のレプリカが、山江村歴史民俗資料館で特別に展示されている▼被爆者の「声なき声」が凝縮された絵巻は、言葉では伝えきれない当時の惨状や人々の苦しみを、見る人に強く訴え掛ける力がある。この展示が多くの人の心に深く刻まれ、平和への意識を高める一助となることを心から願う。