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  • 2025/03/11 (火)
  •  最大規模と聞けば何か誇らしい出来事や施設を想像しがちだが、きょう3月11日に限ってそれはない。1900年以降、わが国最大規模のマグニチュード9.0の地震を記録した、東日本大震災の発生から14年となった▼岩手、宮城、福島の3県でいまだ2万1000人超が県外に避難する事実からも、その被害規模が想像できよう。そして岩手県大船渡市の林野火災では1人死亡、210棟が焼失。生活を奪った津波を考慮し再建した山あいでの火事被害だ。なぜ理不尽がまかり通るのか▼この世の中、天災と人災の別を問わず、地道で真面目な人々の希望をそぐ出来事がたびたび起こる。すでに順応した感ある約50%の国民負担率をはじめ、先日はエネルギー基本計画における原発依存度低減の文言が削除された。福島第一原発事故が教訓の一文のはずだが、仮に意義の軽視ならば言葉を失う▼国の新年度予算は過去最大を記録したが国民の生活は苦しさを増す。さらに市場を欲得の好機に米を買い占めるやからが横行する時代だ。われわれはいつから他者の痛みに無関心な日和見主義に陥ったのか▼鎮魂の日、弱者を思う政策判断こそ最大の功績と念じ祈りをささげる。

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