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  • 2025/01/28 (火)
  •  飽食の時代となり久しく、ちまたの飲食店では小麦が原料のメニューがあふれる。さらに日本人の主食は米のはずだが店頭では品薄状態が続き、あまりにも高価となればさらなるコメ離れは確実だ▼令和の米騒動はいまだ沈静化せず。国家の弱体化を暗に示す円安傾向に関連した消費者物価の上昇傾向も、米国トランプ政権の誕生でさらに強まろう。日本はなぜこんな国になったか、私たち国民一人一人がその原因を思案すべき時と思うがどうか▼愚痴はさておき昨年9月の小欄で提案した備蓄米の放出だが、国もようやく重い腰を上げそうだ。あくまで学校や児童福祉施設、子ども食堂など公共性の高い民間活動をはじめ低所得者層への支援を主眼とすべきだが、米文化の保護の視点も必要かもしれない▼日本人のコメ離れはずいぶん前から進んでいた。国民1人当たりの年間消費量は1962年の118キロを頂点に減少を続け、3年前には半分の約50キロへ。人には入手困難故に欲する性質もあろうが、必要な人に必要量が生き届かない現状とは一線を画す▼今や多くの人が手軽で安価な小麦商品に飛びつく。仮に余剰となっても米が相手にされない時代はごめんだ。

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