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2025/01/27
(月)
- 出会いと別れの季節が近づいている。人吉球磨の中学校を卒業する85%の生徒が地元に高校に通う。希望校でどんな青春が待っているのか胸をときめかせていることだろう▼県教育委員会では10年後の県立高校の在り方を検討中。地方の生徒数減による定員割れなどを見据え、人吉球磨では生徒や一般、教職員、保護者らの意見交換会が開かれた▼大人たちは、生徒数を昭和、平成時代と比べながら「昔はこうだった」とつい考えてしまう。しかし、意見交換会に参加した高校生たちは充実した学校生活を送っており、定員割れはそこまで影響していない。「部活動以外でも他の高校と交流を」「もっと英語を学びたい」「小学校からの夢をかなえる場に」「地域と連携を深めたい」と今を生きている▼先日の人吉市成人式で実行委員長が語った言葉が胸に刺さる。「コロナ禍と令和2年7月豪雨が重なった私たちの高校生活。大人から何もない、空白だと言われた3年間の中には私たちの思い出と青春がたくさん存在している」▼学校の良さは勉強、スポーツの成績ではない。生徒が未来、夢を感じる学校、激動の時代にもポジティブに生きる力を育む学校が求められる。