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2025/01/15
(水)
- 新年が始まって早半月。きょう15日前後は「小正月」として各地で「どんどや」などさまざまな年中行事が行われる。郡市の保育園や子ども会で目にするのは「シュンナメジョ」や「もぐら打ち」▼いずれも農耕儀礼に基づくもの。シュンナメジョは五穀豊穣とともに田植えなど共同で行っていた農作業に多くの人が来てくれるのを願い、俵に人形や餅を飾りつける。もぐら打ちは、鳥獣被害がないことを願ったもの。今もモグラはあぜを崩すなど悪さをするが、それよりも被害が深刻なのは昨報にあるようにイノシシ、シカ、サルなどの獣類▼雑食性のイノシシは、水稲、クリなど多くの農作物を食い荒らし、現在、収穫期の早掘りタケノコも被害に。シカは、農作物被害額で見ればイノシシより少ないが、スギやヒノキの皮をはぐ林業被害は大きく、希少植物も食べるため生態系にも影響を与えている▼餌を求めて里山から人の生活圏へ生息範囲を広げつつある獣たち。繁殖を促す地球温暖化、安心して山里に近づけるようになった過疎化、狩猟者の高齢化など、自然と社会の変化が野生鳥獣被害を拡大させている現状も。終わりの見えない攻防はことしも続く。