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2025/01/14
(火)
- 正月をはじめ何かと浮かれ気味の世の中とは対照的に、黙し学び続ける受験生の存在。その一途な姿は私たちに何らかの気付きを与えてくれる▼バブル期さなかの当時、高学歴志向が熾烈を極めた大学入試。現代と違い経済的余裕もあり一浪二浪は当たり前だった。あれから約30年を経て受験手法は豊富で便利となったが、過日には入学者数が募集定員の総計を1万人強も下回ったとの報道あり。まさに全入時代だ▼古代中国の故事に「蛍雪の功」がある。蛇足ながら説明すれば、2人の貧しい青年がホタルや雪の明かりを使って励み、高級官吏になれたとの苦学の成果を称賛する。被災し仮設住宅という不慣れで厳しい環境下、大学受験を迎えた知人の娘がこの青年らと重なった▼すでにAIが幅を利かせ始めた今、文系ならば目的を持たず大学に行く必要なしとの過激な意見も漏れ聞く。各自の持論は結構だが、そう言うあなたも私も目標なしの根無し草、偏差値だけで大学を選択したのではなかったか▼受験生は無論、保護者も神経を衰弱する大きな節目の大学入試。希望校合格をかなえて喜ぶ子と、その様子をいとおしく見つめる親の姿が脳裏に浮かぶ。学問成就!