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2025/01/10
(金)
- 新年行事も7日の「七草」を終え、あす11日は年神に供えた鏡餅を汁粉や雑煮にして食べる「鏡開き」▼ご存じの方も多いと思うが、刃物で切るのは神に刃を向け切腹にもつながるとして、木づちや手で割るのが習わし。ただ、核家族化や住宅の洋風化が進んだ現代では、飾る床の間自体がなく鏡餅型のケースに入った小さな丸餅を、そのまま食す家庭も多いのでは▼新年の伝統行事で毎年感心するのは、人吉市大畑町の「子ども山の神祭り」。江戸時代から続き、鉢巻きし木刀を手にした子どもたちのチャンバラ合戦の光景は昭和を思い起させる。ただ、住民たちが懸念するのは主役の子どもたちの減少。何とか今後も続いていくことを願うばかり▼一方、全国では伝統行事が途絶える例も。日本三大裸祭りの一つとして知られ、1000年以上続いていた岩手県奥州市、黒石寺の「蘇民祭」が、昨年2月で幕を下ろした。その理由は檀家の高齢化と担い手不足。郡市でも同様に行事や郷土芸能が途絶えた地域は少なくない。事業所もしかり。人手や後継者不足から廃業が増えている▼山の神祭りで、元気に野山を駆ける子どもたちの姿に地域の活力の源は“人”と実感。