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2024/11/19
(火)
- ここ数日は朝が肌寒く、人吉球磨特有の霧も出てきた。これから本格的に寒くなると思うが、ことしは暑い日が長く続き、秋の涼しい日はとても短かった。来年はどうなるのか今から心配▼先日、取材で伺った小学校の創立150周年式典の会場に、それぞれの時代を象徴する写真が展示されていた。咲き乱れる桜、川で泳ぐ子どもたち、山々を彩る紅葉、一面の雪景色と四季の素晴らしさに目を奪われた▼1年間に4つの季節が存在する日本。旬の食材を使った料理、季節の推移に応じた衣服、文化的な行事など人々は環境の変化に適応しながら四季と密接に生き、その豊かな心が私たちを育んできた▼しかし、気温の変化を見ても分かるとおり、季節感は薄れつつある。冷暖房の普及、農産物等の栽培技術の向上、科学の進歩などで生活が便利になった反動だろう。これまで引き継がれてきた季節ごとの文化、伝統が消滅しないかと危ぐする▼早々と始まったクリスマス商戦を取り上げたニュースで、消費者が「この前まで暑かったのに、そんな気分にならない」と苦笑い。私たちが知らないうちに、春夏秋冬の定義はすでに変わっているのかもしれない。