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2024/11/18
(月)
- きょう11月18日は何の日。鉄道ファンや地元の人はSL人吉を牽引した蒸気機関車の誕生日と答えるだろう▼通称ハチロクで知られる蒸気機関車8620形58654号機は1922年、山口県の日立製作所笠戸工場で誕生した。きょうで102歳になる▼2009年に二度目の復活を果たし、SL人吉としてJR肥薩線の川線(熊本~人吉)を走ったが、令和2年7月豪雨で甚大な被害を受けた肥薩線の不通のため、翌年からSL人吉のまま熊本駅―鳥栖駅間で運行された▼あの雄姿を肥薩線にもう一度の思いはいまだにあるが、無償譲渡を受けた人吉市が、きょうから人吉駅横での静態展示による一般公開を始めた▼SL人吉を語る上で元機関士の故・得田徹さんを忘れてはならない。1975年の廃車後、矢岳駅横の人吉市SL展示館の小屋内に保存し、駅近くに暮らしながら「蒸気機関車は生き物」と整備を続け、極めて良い保存状態が復活につながった▼故郷での第二の人生は得田さんも喜んでいるだろう。気になるのが同展示館に残る蒸気機関車のD51形170号機。通称デゴイチと親しまれる車体の保存をどうするのか。地域の鉄道愛が試されている。