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2024/10/26
(土)
- 小欄冒頭で扱いやすい季節所感。過日は霜降前日に本格的な秋到来と述べたが、予報ではまた夏日が戻るとか。今月下旬の時候ワードは「紅葉」「深秋」なのにと違和感を覚えつつも暦は進む▼暦といえば気は早いが、来月には社会が年末に向けて始動する。ことし年頭に決めた“一寸光陰”など忘却のかなたと後悔しきりだが、慌ただしさ増す一種独特な雰囲気の師走に向けて思い巡らす。中でも気になるのが第九合唱。日本初演からことしで100年だ▼巧拙はさておき歌唱は好きな部類。しかし第九に誘われる技量は皆無、もっぱら鑑賞ばかりだが100年前の初演地、徳島県の板東俘虜収容所を知ればこそ縁を感じる。きな臭い世情の昨今、1世紀も前のドイツ人捕虜がなぜ、そして東西ドイツ統一の際に歌われた理由などを調べてほしい▼交響曲第9番第4楽章、いわゆる“歓喜の歌”の所以こそサビの楽句と歌詞にある。「もっと心地よいものを歌おうではないか」「歓喜よ、神々の麗しき霊感よ、天上楽園の乙女よ、我々は火のように酔いしれて…」。いつ聞いても鳥肌ものだ▼あすはいよいよ衆院選の投票日。開票後、歓喜に沸く陣営はどこ?時は迫る。