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2024/10/02
(水)
- 先週、錦町の球磨家畜市場で開かれた球磨畜産共進会。ことし注目を集めたのは、25年ぶりの出品となった赤牛▼昭和時代、郡市の飼養牛といえば赤牛だったが、平成に入り価格が下落。肉質に優れた黒牛に切り替えが進み、同共進会、球磨市場の子牛競り市から姿を消した▼現在も郡市で約70頭が飼養されているが、大津町の県家畜市場に出荷しているため目にする機会は減少。赤牛の姿は、かつて飼養していた繁殖農家には懐かしく新鮮に映ったようだ▼その赤牛は、おとなしくて飼いやすく耐寒や耐暑性に優れて放牧に適し、阿蘇の雄大な風景には欠かせない存在。赤身が多い肉質のおいしさも見直され、阿蘇では「あか牛丼」が名物となり、人気店は行列が絶えないほど。子牛の平均価格も60万円前後と安定している▼一方、以前まで80万円台の高値を維持していた黒牛は下落。球磨市場では、ことし5月に50万円台を割り込み、7月は46万円、先月は45万円と低迷。飼料代など生産経費が上がる中、繁殖農家は「厳しい」「先行きが見えない」と不安を抱く▼昨日、発足した石破新内閣。元農水大臣の経験を生かし現場の声を反映した農政を。