HOME>>瀬音

  • 2021/06/28 (月)
  •  昨年の7月豪雨からやがて1年を迎えるにあたり、仮設住宅で暮らす4市町村の住民に発災時の状況や現在の思いなどを聞く機会があった▼未曾有の豪雨による共通点は安全と信じていた自宅が浸水した「まさか」。印象深い一つは、5人と犬、猫の“家族”みんなで避難所へ行こうにもかなわず、1カ月にわたり車中泊をした一家の胸中▼熊本地震が発生した5年前、益城町の知人が震度7の激しい揺れにおびえ、興奮して眠れなかったのは人も愛犬も変わりなく、避難所では犬がいるだけで明らかに嫌な顔をされたと語っていたことを思い出す▼災害時にペットと共に安全な場所へ避難する「同行避難」、被災者が避難所でペットと過ごす「同伴避難」について、環境省は適切な対策が講じられるようガイドラインを改訂済みだが、昨年の豪雨災害で自治体の受け入れ態勢に温度差があったのは否めず▼ともあれ、支援団体が過日、人吉市にペットと同行・同伴できる避難所の設置を求める要望書を提出したのは小紙既報のとおり。人とペットの共存では発災時、人に限らずペットの安全、安心、ストレス軽減も必要不可欠。そのための議論やルール作りが急がれる。

トップへもどる