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  • 2021/06/25 (金)
  •  毎月、市町村をはじめ、各機関から広報誌が届く。その中で目に留まったのは表紙に小さな蒸気機関車が疾走する写真が掲載された「林野」5月号▼発行者は、その名のとおり林野庁。特集のテーマは「現在に活きる森林鉄道―その文化的価値と利用―」。同誌によると、機関車、運材台車など143両が保存され、そのうち表紙の蒸気機関車など22両が動態保存されているという▼森林鉄道は郡市でもかつて存在。旧上村の白髪岳を越えた八ケ峰にもあり、分校に勤務していた元教諭のアルバムに機関車に引かれた台車に乗った子どもたちの写真があった。えびの市飯野から錦町の大平尾まで延び、丸太搬出だけでなく住民の足としても使われていた▼事業所の閉鎖や林道の整備とともに姿を消したが、球磨村の球泉洞に機関車が展示されていたのを思い出した。確認すると7月豪雨による土砂災害は免れていてひと安心。ただ、肥薩線とくま川鉄道は被災したままやがて1年を迎える▼鉄路が赤く錆び雑草に覆われた光景は廃線状態。くま川鉄道は復旧へ向かって動き始めているが、JR九州は治水対策を待って検討するという。郡市復興に鉄路復活は欠かせない。

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