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  • 2021/05/27 (木)
  •  うっとうしい梅雨に“晴れない”心を和ませてくれるアジサイ。ガク(花)は湿度が高いほど色濃くなり、土壌の性質によって青や赤、ピンクなど表情を変える故に「七変化」の異称を持つ▼花といえば、郡市ではこのところ人権の花運動に伴う種子の伝達式を複数校が実施。子どもたちが栽培を通じて命の尊さ、自身や友達を大切に心を育む取り組みは、前年度の実施校から種子を受け継いでいる。花は時として観賞する楽しみだけでなく、さまざまな願いや思いが“花開く”ことへの期待も持ち合わせる▼阪神淡路大震災から半年後、地震で亡くなった少女の自宅があった空き地に無数の花を咲かせたヒマワリは少女の名前から「はるかのひまわり」と命名され、災害や命の尊さを再考する機会としてその種を植える絆プロジェクトが全国各地に広がりを見せている▼昨年の7月豪雨で浸水被害に遭った球磨村の渡小学校で過日、地域住民らが「災害に負けないで」と願い、児童と一緒に種をまいたのは小紙既報のとおり。サクラやツツジ、フジなど例年より早く咲いた花々。ときにはゆっくり眺め、五感で楽しむのもいい。新たな芽生えがあるかもしれない。

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