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2021/02/26
(金)
- 暗闇の中、住宅に迫り来る真っ赤な炎。テレビが映し出す栃木県足利市の山火事に、火災の恐さを改めて▼21日の発生からきょうで6日目、自衛隊や消防のヘリコプター、地上では人海戦術を駆使しても火の勢いは収まらず。山林が多い人吉盆地を考えると“対岸の火事”では済まされない▼身近で記憶するのは平成30年に球磨村で起きた山火事、鎮火するまで21時間を要した。林野庁の統計によると、令和元年までの5年間で発生した山火事を平均すると1年間で約1200件、焼失面積約700㌶、損害額約3.6億円。年間の7割は1月から5月に集中。風は強く落ち葉が燃えやすい状態にあるとされる▼今回、足利市で発生した火災の原因は定かではないが、全国各地で起きる山火事の多くはたき火やたばこの投げ捨てなどちょっとした火の取り扱いが要因のよう。火の手が上がれば貴重な森林のみならず動植物の命も危険にさらされるのは言うまでもない▼山菜採りなど入山者が増えるのもこれから。3月1日から始まる全国山火事予防運動の統一標語は「あなたです 森を火事から 守るのは」。焼失した森林が回復するには長い年月が必要と忘れてはならない。