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2021/02/23
(火)
- ことしに入り、数多の時代劇で“斬られ役”に徹した俳優2人の訃報が続いた。BSで再放送を見ていると、悪役を演じる見慣れた俳優の名前は分からずも、主役が悪を成敗するクライマックスシーンには毎度引き込まれる▼映画やドラマは脚本だけでなく出演者の顔ぶれと配役も重要。ストーリーに欠かせない脇役が話題を呼び、その俳優の「出世作」になった例も少なくない。スターのようにスポットライトを浴びることはないが、脇を固める役者の存在があるからこそ物語は成立する▼前会長の女性蔑視発言などスポーツとは関係ない部分で注目を集めた東京五輪・パラリンピック組織委員会は、アルベールビル冬季オリンピックのスピードスケート銅メダリストで前五輪相の橋本聖子氏を会長に選出。新型コロナが世界中に広がる中、五輪開催の可否は未知数。一連の騒動に終止符を打ち、これからのリーダーシップに期待▼劇中で何万回と斬られ続けた両俳優は他人を輝かせる演技に生涯をささげた。五輪の主役は各国の代表として出場する選手にほかならない。組織委は今回の騒動を猛省して脇役に徹し選手を輝かせるような存在であってほしい。