HOME>>瀬音

  • 2021/01/27 (水)
  •  小中学生のころ、給食は楽しみの一つだった。ミートソーススパゲティやカレーライス、飲み物でコーヒー牛乳、オレンジジュースなどが出ると笑顔がこぼれた▼その給食のありがたさを改めて感じたのはわが子の入学後。好き嫌いが除々に改善され、朝夕調理して配膳する親への感謝心も芽生えたため。学校給食は明治22年、山形県の私立小学校で無料で実施されたのが起源とされる▼代表的なおにぎり、塩鮭、菜の漬物の献立は飽食の時代故か“新鮮”。全国学校給食週間の今、郡市ではクジラのメンチカツや竜田揚げ、イワシの丸干しなどかつてよく使われた食材で趣向を凝らし昔を再現した献立も並ぶ▼一方、新型コロナ感染拡大防止に伴い影響を受ける県産畜産物などの消費拡大を目的に、県から無償で納入業者を通じて提供される逸品を生かした献立は目新しく、バラエティー豊か▼栄養教諭の一人は、地域に根付く郷土料理や日本の文化を支える和食が家庭の絆を大事にしている背景も機会を捉えて児童生徒に教えている。作り手の思いが込められた学校給食。ある学校の献立表には「食べ物の命をいただいています」と記されていた。感謝の気持ちを改めて。

トップへもどる