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2021/01/12
(火)
- 「地位か名誉か金か、いや、大切なのは目的だ」。大阪経済の恩人と称される実業家で、歴史に埋もれた五代友厚の名言だ。新型コロナに水害で混乱する今だから、なおさら深く胸に響く▼そんな偉人にスポットを当てた映画「天外者」の上映終了が明後日に迫った。製作総指揮は、人吉市出身で大阪弁護士会所属の廣田稔さん。ことしは製作の熱意を表した映画用の年賀状にて「球磨人吉の再生に頑張れ」とエールをもらった▼廣田さんと映画の関係は、郡市民なら周知だが2007年公開の「北辰斜にさすところ」。多くの知人がエキストラで参加し、昨年の豪雨災害で被災した青井阿蘇神社や鍛冶屋町通りでもロケが行われた。製作当初から関わった縁もあり懐かしい▼13年にプロジェクトがスタートした天外者の主演は故・三浦春馬さん。作品の要旨は要は夢を持つことの大切さに尽きる。また、どの時代においても努力を重ねる先駆者を妬み嫌い、阻害しようとする輩が存在するとの再認識も。末尾のメイキングを含め、見終えた後の爽快感は格別だ▼“北辰”同様に難産だったと漏れ聞くが、危機を乗り越えてこそ価値は高まる。ロングラン熱望の声もあり期待。