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  • 2020/09/30 (水)
  •  子どものころ、「雨の日に走っていくのと歩いていくのではどちらがぬれないか」というなぞなぞがあった。答えは「どちらもぬれる」という意地悪な内容が記憶にある▼豪雨災害後、球磨川の治水を巡り再浮上してきた川辺川ダム。完成していれば今回の水害を防げたのか。軽減できたとしても先のなぞなぞに例えると、水害を受ければ一緒。ダム治水に異論を唱える住民は緊急放流による水害助長を訴える▼一方、流域12市町村でつくる川辺川ダム建設促進協議会はダムを含めた治水を県、国に要望。12年前に川辺川ダム建設計画の白紙撤回表明をした蒲島郁夫知事も選択肢の一つと態度を軟化。被災者が早く将来計画を描けるよう11月には治水計画を示すと公言している▼当事者の意見を聞かないままの一連の動きと検証は性急過ぎると、疑問と不満を抱く被災者らが市民団体を設立。また、被災した事業者グループは復興に関して郡市全体の中長期的なまちづくりを提案している▼今は復旧復興へ官民一丸となって組む大事な時期。被災者の声に耳を傾けるのは当然として、再び行政と住民の対立、地域を分断するようなことがあってはならない。

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