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  • 2020/09/15 (火)
  •  暑さ寒さも彼岸まで。このところ網戸にして寝ると朝方ヒンヤリ。コロナ禍に続く豪雨災害、例年と異なる日常でも季節の移ろいは変わらず。自然界は少しずつ秋の様相で、ヒガンバナに心癒やされる▼かつて、水上村と岩野川内地区の住民が“ひがん花の里”と銘打ち地域の魅力を売り出した里山でも咲き始めた。集落を縦断する小川内川沿いや棚田の畦を赤く染める花を楽しみながら歩くヒガンバナウオーキングは豊かな自然との一体感が好評だった▼地域おこしの一環で球根の植栽を続けつつシカの食害に悩まされてきた住民。それでもほったらかすことなく講金仲間などが8月末から9月初めに草払いし、手入れを続けている。少子高齢化、過疎化が進む中、先祖から受け継いだ伝統や文化、景観を次世代へ引き継ぐ鍵を握るのは地域愛も多分に▼「人と草木のかかわり 植物と民俗」を自費出版した環境省希少野生動植物種保存推進員の乙益正隆さん(人吉市)は、草木の根元には物語や生活に利用された歴史があると説く。地球上の自然林伐採は人間が都合を優先。動物はすみかを追われ、姿を消した植物も多い。動植物との共存を改めて考えるきっかけに。

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