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  • 2020/08/31 (月)
  •  体調に不安があるとは聞いていたが、安倍晋三首相の突然の辞意表明会見には驚いた人も多かった。平成24年12月の第2次政権発足後、約7年8カ月続いた最長政権に幕を閉じることになった▼会見で安倍首相は「国民の負託に自信を持って応えられる状況ではなくなった。痛恨の極み」と悔しさをにじませた。また、北方領土問題や北朝鮮による拉致問題、憲法改正などにふれ、「志半ばで職を去ることは断腸の思いだ」と述べたが、さぞかし心残りだったことだと察する▼ことしに入ってからは、新型コロナウイルス感染症の対策に苦慮するなど内閣の支持率も低下し、心を痛めていたことだろう。7月には熊本県南地域で豪雨災害が発生。人吉球磨地域などで甚大な被害が出た▼安倍首相は発災直後、人吉市や球磨村などを視察。被災者を励ますとともに、「生活支援に政府一丸となって取り組む」と力強く述べた。首相の辞任によって復旧・復興が停滞することは許されない。被災者も一日も早く進むことを願っている▼首相が交代しても取り組まなければならない課題は山積している。新しい首相には国民に寄り添い、課題を一つずつ着実にクリアしていってほしい。

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