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  • 2020/08/04 (火)
  •  コロナに始まり水害で終わる。こんなフレーズも過言ではない状況の郡市の学生スポーツ。不憫と思うことなかれ、子どもたちはそれぞれの青春を過ごし、感動と学びを得ている▼「今ごろは東京オリンピックが…」のせりふは聞き飽きた。甲子園やインターハイ、秋の国体の中止は心底残念だが、これも世の定めか。水に水筋があるのと同様、人生の歩みに立ちはだかる苦難の存在理由もあるはず。下手な慰めかもしれないが多少は気も紛れる▼過日、ある競技を観戦した。欲目と言われて結構、誰もが求める目標の頂上に手が届くレベル、いわゆる粒ぞろいの選手ら故の苦悩を知ればこそ、これまで見たことのない解放感にあふれた笑顔と涙に感動できた。ありがとう▼子どもたちの悔しさは親のそれ。そして、彼らと共に日々を過ごしてきた指導者の無念さだって同等、またはそれ以上か。逆境が人を育てるとはいえ、子どもたちには最初で最後の“今”が消えて、水害の追い打ちは過酷▼そんな痛みを分かち支えようと、遠くは青森や宮城から復興支援部隊が郡市入り。現地に広がる笑顔の中には喜びの涙も見られた▼私たちは逆境下に生じた感動を決して忘れない。

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