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  • 2020/07/30 (木)
  •  災害のたび、復興に尽力する人々。もちろん、その陰に多くの支援はあるが、生活再建には当人の強さも不可欠▼今回の豪雨被害でも、自宅などが全壊し全てを失ったにもかかわらず、支援物資の受け入れを担い、さらに復興支援作業や炊き出しを主導する被災家族を知る。3日前からは確か球磨村に馳せている▼同様に、甚だしく被災し間一髪で難を逃れた自営業の夫婦は今も笑顔を絶やさない。支援に訪れた仲間が落とす同情の涙に触れれば、逆に慰めるという。なぜそれほど強いのか▼人の生きる強さは艱難においてこそ垣間見えると、冒頭の家族の行動が教えてくれる。彼らはこれまでに、東北から九州まで多くの被災地支援に出向いている。その経験と知恵、人の痛みを知るが故の行動力と速さだと感服▼ほぼ毎日、復興作業に携わって思うのは人手不足。中でも独居高齢者の場合、屋内土砂の搬出はもちろん、災害ごみの搬送を含めて手が足りない。さらには、被災者自身がなぜ、身を粉にして動かなければならないのかという疑問すら湧いてくる▼“強さ”と“優しさ”は状況次第では同意と思う。人に寄り添える強さが少しでも増えんと切に願う日々。

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