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  • 2020/02/26 (水)
  •  まだ対岸の火事と楽観していた人は多かったはず。それが先週土曜日、熊本市で新型コロナウイルスの感染者が確認されてから状況は一変▼心配していたことが現実となり、連日のようにイベント、スポーツ、学校行事の中止を知らせる電話とファクスが続く。来月は「打撃の神様」川上哲治氏の生誕100年の節目だが、社会人野球大会や記念講演会も中止に。仕方ないとはいえ、準備してきた主催者たちは無念だろう▼影響は観光や飲食業など経済全体に及び始め、株価下落など世界に広がりつつある。相手は姿の見えないウイルス。潜伏期間が長い上に全国で感染経路が分からない事例も増えて不安が広がる▼専門家は、これから1、2週間が正念場という。収束に向かうのか拡大を続けるのか。今できることは人混みを避けてマスクと手洗いの徹底など自己防衛しかない▼自然災害には無力であっても英知により多くの疫病を克服してきた人類。必ずワクチンや治療薬は出来ると信じているが、時間を要する。国が呼び掛ける「一丸となって立ち向かう」には互いの理解と協力が不可欠。マスクの盗難や転売、感染者への差別などの醜聞は聞きたくない。

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