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  • 2020/02/13 (木)
  •  人吉市で持ち上がった、場外車券売り場の建設問題。推進と反対両派の対立が鮮明化し始めた▼設置には、地元8町内の同意が不可欠。両派の関係者に話を聞いてそれなりの事情はつかめたが、互いに先鋭的な批判が目立つ。まずは事実をつまびらかにし、全町民が情報を共有できる環境づくりを▼何か事を成すとき、立場の違いで意見の相違が生じるのは常。そこに利得が生じ、または周囲に累が及べば誰もが無関心ではいられない。身近では夫婦や親兄弟ですら激論を交わすが、そこで不可欠なのが客観的かつ公平な意見▼この世の中、自身も含めた多くの人の判断材料に「好悪と損得」があろう。誰がどれほど否定しても、人が感情の生き物であれば皆、経験済みだ。それは、首相周辺や日韓関係など政治でも見られる話▼そんな主張の応酬を正す仕組みの一つが司法。意見を裏付ける確証を基に客観的な指摘で精査、一定の理解と強制力を伴えばこそ事も鎮まる。ただし、それ以前の沈静化が理想であるのも明々白々だが▼「鎮守の沼にも蛇は棲む」という。さらには「好悪と損得」が世の常なら、そこにもう一つ、「善悪」という正義が欠かせない。自戒を込めて。

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