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  • 2019/09/30 (月)
  •  人吉城跡の石垣が膨らみ、今にも崩れそうなのがずっと気になっていた。歩行者や通学児童に危険が及ばないか。観光資源として見た目にも悪い▼先日、市道沿いのその石垣部分に土のうを積むなどの対策工事が行われ、通学路も反対側になったから一安心。水ノ手橋近くの崩壊部分のブルーシートが一日も早く消えることを望む▼過日の本紙「若手学芸員リレー連載」に、その“壊れた石垣”が取り上げられ、興味深く読んだ。中に今回同様に石垣が孕んだため、江戸時代半ば以降に人吉藩が修復を幕府に願い出た。許可から16年経ても修理されておらず、新たに孕みの範囲が広がったなどとあった。当時の藩の財政難が要因かと解釈▼現状、人吉市の財政は余裕がない状態とされる。国指定史跡だから復旧事業にはそれなりの国庫補助があるだろうし、300余年後も再び手付かずの状態には至らないと信じたい▼気になるといえば、同橋近くの球磨川の河川敷がまたも木と草で藪と化している。数年前に市議会で指摘を受け伐採しすっきりしたのだが、根は残ったままだから時がたち繁茂したのだろう。人吉城跡は青井阿蘇神社と並ぶ市民の大事な宝だ。早い対応を。

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