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くま川鉄道 不通区間で試運転スタート(2026/07/06) (2026/07/06)
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踏み切りの前で列車を歓迎する園児たち
◎9月20日の全線開通へ 沿線園児ら笑顔で歓迎

 令和2年7月豪雨で被災し、長期にわたり不通が続いていたくま川鉄道の人吉温泉駅―肥後西村駅間(約5.9キロ)で6日、9月20日の全線運転再開に向けた施設確認のための試運転が始まった。同区間に列車の姿が戻るのは被災以来6年ぶりのことで、駅や沿線には多くの報道陣や地域住民、子どもたちが集まり、力強く走る列車の復活を笑顔で歓迎した。

●線路の安全を慎重に確認
 この日、試運転の開始を前に、検修庫から2両編成がゆっくりと人吉温泉駅のホームへ入線。出発を前に、くま川鉄道の永江友二社長ら関係者が乗車し、午前9時10分に同駅を出発すると、時速15キロの低速で復旧した線路や踏切などの設備動作を慎重に確認しながら進んだ。

●初めての列車園児大喜び
 人吉温泉駅を出発してすぐ、人吉市北泉田町の泉田踏切では、泉田こども園の園児たちが今か今かと列車の到来を待っていた。園児たちは全員が豪雨災害の後に生まれたため、市内を走る列車を見るのは初めて。
 遠くから汽笛が聞こえると大喜びし、ゆっくりと通過する青やベージュの車体に向かって、きらきら光る緑やオレンジ色のポンポンを振りながら元気いっぱいの笑顔で手を振った。初めて列車を見た赤池葵都ちゃん(5)は「早く乗ってみたい」と声を弾ませた。

●鉄路に託す復活への思い
 列車は進み、今回の復旧に合わせて相良村に移転新築された新しい「相良十島駅」に停車。木の質感を生かしたモダンな新駅舎の横に列車が収まると、集まった地域住民らがその姿を温かく見守った。また、新しく架け替えられた球磨川第四橋梁の周辺には、美しい橋梁と列車の共演を写真に収めようと多くの鉄道ファンが駆け付け、熱い視線を送っていた。
 午前9時半ごろ、列車は今回の試運転区間の終点である肥後西村駅に無事到着した。被災直前までハンドルを握り、この日、被災後初となる不通区間の運転を担当した運転士の東智也さん(41)=人吉市=は「多くの人たちが手を振って歓迎してくれてうれしかった。被災から徐々に戻りつつある街並みを車窓から見ることができ、第四橋梁からの風景は被災前と変わらずに感動した。全線運行に向けて訓練を重ねたい」と前を見据えた。
 肥後西村駅のホームで到着を見守っていた西一郎さん(73)=錦町西=の祖父母は、1924(大正13)年に国鉄「湯前線」として人吉駅―湯前駅間が開業する際、線路の整備に従事したという。西さんは「人吉球磨の人たちが一生懸命になって通した鉄路。よくぞ廃線にならず復活してくれた」と、感慨深げに鉄路を見つめながら語った。

●8月1日からは乗務員訓練運転
 今回の試運転に伴い、同区間にある計11カ所の踏切も同日から6年ぶりに使用が再開された。同社では踏切通行時の「一時停止」と「左右の安全確認」を徹底するよう強く呼び掛けている。
 8月1日からは乗務員の技能習熟を目的とした訓練運転へと移行する予定。訓練運転は9月6日まで連日行われ、平日ダイヤと土休日ダイヤで走行時間帯を変えながら1日2~3往復程度実施される。また、現在営業を行っていない人吉温泉、相良藩願成寺、(新)相良十島の各駅ホームへの立ち入りについても控えるよう注意を促している。
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