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  • 2019/05/02 (木)
  •  上皇陛下が皇太子殿下のころの昭和37年、郡市をご夫妻で訪問された裏の、信国鉄蔵さんの存在も知っていてほしい▼平成最後の日のテレビの天皇陛下特集で、皇太子殿下の英語教師だったヴァイニング夫人を見て改めて思った。夫人は、当時の上村小八ヶ峯分校で親子で教壇に立ち、「月明学校」を執筆した三上敬子さんを訪ねて来人。宿泊した鍋屋旅館からの球磨川の素晴らしさに感嘆したという▼信国さんは多良木町出身で、皇宮警察を定年退職後に宮内庁へ入り、皇太子殿下の近侍としてお世話。学習院初等科時代には剣道も指導。以来、「信国のじいや」とお呼びになっていたそうだ。信国さんが退職の折、「長き日を仕へし信国さがりては あかりの消へし思ひこそすれ」など二首を頂いたといい、密接な関係がうかがえる▼退職後も時折ごあいさつに伺い「じいやよ、出身地の人吉はよい所だそうだね」と言われてびっくり。「なぜ人吉をご存じですか」と尋ねたら、「ヴァイニング夫人から聞いた。機会があれば行ってみたい」と答えられたという▼信国さんは郡市出身の在京大学生の寄宿舎球磨学寮の寮長にも後に就いた。当時の本紙を確認しながら記した。

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