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  • 2018/09/25 (火)
  •  暑さ寒さも彼岸まで。まさにそのとおりの朝晩の冷えで少々、喉が痛い▼若いころの痛みの原因は、歌い過ぎか叫び過ぎ、夜なべの議論だった。地方では口を糊する現世だ。日光の三猿よろしく見ず、聞かず、言わなければ比較的楽だろう。しかしそれでは生きる証しが得られない▼そろそろ人吉市の“おくんち”だ。これに絡んだ議論こそ、市内の医療施設が計画する空中通路の設置の是非。関係者双方の熱弁はともかく、市民の声があまり聞こえない。長年の伝統としきたり、生命保持の責務など論する材料は豊富にあった▼議論といえば多良木高校の閉校も同様。小欄でも最後まで抵抗したつもりだが、所詮は既定路線で地元民とは平行線、結果は周知のとおり。議論端緒の折、ある住民の「高校生は買い物せんけん」との発言を思い出す。今という結果が垣間見える▼“寄らば大樹”全盛の日本。政治も経済も、猫も杓子も皆同様。自らの価値観を基本に思考を深め、議論を持ち出せる豪傑はいないのか。「維新150年」を持ち出すのであれば現代に迎合せず、異論を述べるのが筋だろう▼時季は夜長の秋である。議論に熱中しても、喉を痛めない程度でとご忠告。

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