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  • 2018/04/30 (月)
  •  人吉市麓町に建っていた市役所麓町本庁舎(旧庁舎)は解体を終え、姿を消した。取材で通るたびに、解体作業が進むのをカメラで撮影してきたが、思い出多い庁舎が崩れ落ちるのに一抹の寂しさを覚えたのは、小子だけではないだろう▼同庁舎は、昭和37年3月に近代的な鉄筋コンクリート造り3階建てとして完成。経年劣化が目立った上、一昨年4月の「熊本地震」の被害を受け、やむなく閉鎖。新庁舎建設に伴い、解体・撤去されることになった。訪れる市民や職員の安全を考えるとやむを得なかった▼55年という長きにわたり市政発展の拠点、または歴史を見届けてきた庁舎だっただけに、市の“本丸”の消滅を見届けたことは感無量だった。市民の中には毎日、解体の模様を撮影してSNSで紹介している人がいたそうだ。それだけ親しまれていた▼来年1月ごろから新しい“本丸”ともいうべき新市庁舎の建設が西間別館一帯で始まる。来庁者や職員の安全・安心のほか、災害時には防災拠点として使用するため、免震構造の鉄筋コンクリート造り地上5階建ての近代的な庁舎が建設される。平成33年春ごろに完成予定だが、とても待ち遠しい。

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