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  • 2026/07/21 (火)
  •  国旗を大切に思う気持ちに国境はない。自国の象徴を重んじるからこそ、他国の旗にも同じように敬意を払う。それこそが、私たちが大切にすべきことかもしれない▼参議院で「国旗の損壊等の処罰に関する法律(国旗損壊罪法)」が成立した。2年以下の拘禁刑や20万円以下の罰金を科す内容。国旗を大切にする国民感情を守る狙いの一方、表現の自由を妨げるという声も。だが、本来の「国旗を尊ぶ心」は、法律で縛るだけで育まれるものなのか▼この心を戦時中から持ち続けた人吉球磨の先人がいる。昭和16年、中国・上海で拿捕したアメリカの砲艦から星条旗(戦闘旗)を押収した人吉市の故・府本正一さん▼府本さんは「国を代表する旗を大事にするのはどの国も同じ」という信念と罪悪感から、戦時中、敵の旗であっても肌身離さず持ち歩いた。終戦後、国賊と呼ばれる恐怖を抱え、自宅の大火に見舞われながらも、命懸けで星条旗を守り抜き、戦後20年を経て無事にアメリカへ返還した▼敵国の象徴にさえ敬意を払い続けた姿は「国旗と何か」を深く考えさせる。郷土の先人が残してくれた温かくも強い思いに、今こそ心を寄せてみたい。

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