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  • 2025/10/30 (木)
  •  身近では米メジャーリーグの大谷翔平選手や高市早苗首相で思う言葉が「不言実行」。これほど美徳でスマートな所作はないと感じる。出典は論語にて、君子は自ら行動で示し伝えるもの▼冒頭への異論も届きそうだが、大谷選手は米国球界で新記録を連発するも当人の関心はチームの勝利に終始し、謙虚なコメントのみ。高市首相だって総裁選後の党内“総総分離論”の主張や各方面の阻害行為に対し、おしなべて多言せず辛抱を続けた結果の現職である。あながち的外れではない▼不言実行の点で私たちは、報道やネットで著名人を安易に批評する一方、自らはどれほどこだわれているか。これとは真逆の「有口無行」、分かりやすい表現では「有言不実行」だが職場や家庭など、社会生活の各所で頻発してはいないか▼話を政治に戻せば昨年10月、政権誕生後に野党から「敵前逃亡内閣」と非難された石破前首相。その原因こそ「言行不一致」であり、その後の衆院選では国民が厳しい判断を下した▼孔子は「君子は言に訥にして、行に敏ならんことを欲す」と説く。結果を伴わない口先ばかりでは信用を失うとの教えだが、自省すれば心当たりが多すぎて面目なし。

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