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2025/05/30
(金)
- 入社当時、記事の校正で力不足と役不足の本来の意味と使い方が話題になった。日本語は表現が多彩で美しく、便利な半面、意味や字を間違えやすいリスクもある▼能力に対して役割が軽いのが役不足。力不足は与えられた役割を果たす能力がない場合に用いられる。総会シーズン、役員改選や就任あいさつなどでは謙遜を込めて「力不足」が用いられる▼だいぶ前だが、テレビで「丁字路」という言葉が話題になった。高齢の男性が道を聞かれて「ていじろ」と言うのを芸能人が「なまり」と勘違いして笑ったもの。最近はアルファベットの「T字路」でもいいそうだが、こだわり強めなので「丁字路」を推したい▼他にも小春日和や五月晴れ、敷居が高い、さわりなど、意味を誤りやすい日本語は多数。自身も「おざなり」と「なおざり」は同じ意味だろうとそれこそ“いい加減”な解釈だったし「おもむろ」は“ゆっくり”した様子を想像しづらい▼仕事柄、気になる言葉は「記者ハンドブック」などで調べるが、思い込みによるスルーが最も危険。言葉を生業とする以上は正しい日本語を引き出せるように、意味や使い方に間違いがないか顧みたいし、省みたい。