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  • 2025/05/29 (木)
  •  いつの時代、どこの国においても豊かさと平和、民生の安定を念頭の政治が行われるべきだ。しかし現実は利己主義がまん延し世界大戦前の地域紛争が絶えない。笑顔で生きられない環境ほど不幸なことはない▼ことし終戦80年を迎えられたわが国。先人の恩恵により長年、暖衣飽食の時代を過ごしてこられたが、今やそれも見る影なし。主食のコメすら、まともに買えないほど物価高騰に翻弄される日々だが、国民の苦難とは無縁な政治家の存在が未来への希望に影を落とす▼食にまつわる政治家といえば中国春秋期の政治家、管仲。彼の思想を記した「菅子」にある「倉廩実つれば則ち礼節を知り、衣食足れば則ち栄辱を知る」。いわゆる「衣食足りて礼節を知る」の教えだが、あえて優先順位を付ければやはり“食”だ▼自称、食道楽もグルメではないから単なる食いしん坊。食べ放題につられた過食の後悔も変わらず。まんまと商業主義に乗せられ過剰消費の片棒担ぎ。その結果が2022年時点で年間472万トンのフードロスへ。これは日本の全国民が毎日、おにぎりを1個ずつ捨てる量で経済損失は4兆円とか。罰当たり▼今回のコメ騒動が戒めに思えてくる。

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