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2025/05/10
(土)
- わが家の老犬が一昨夜から食事をボイコット。何となく理由は想像できるが、食べてくれた昨晩まではまさに根くらべ状態だった▼根くらべといえばきのう、コンクラーベを経て新教皇が誕生した。密室での秘密選挙など１４億人の信者をたばねる、カトリックの総本山らしい威厳と伝統を感じる。しかしこの発端は１３世紀、空席が続いた教皇の選出を促す市民らが、外部との連絡を絶ち枢機卿を閉じ込めた行為にあった▼選出には投票総数の３分の２以上の得票が必要だ。総数１８人だった１３世紀の場合は妥協の結果と聞くが、世界中から１３３人の枢機卿が集った今回は２日間、４度目の選出である。果たして要因は何だったか。人が人を選択する難しさにあらためて気付かされた▼人を選ぶといえば私たちの身近にある選挙も同様だ。権力には欲得が付き物で、そこに群がる集団や個人の存在は確かだ。意志を表さない無投票は論外だが、声なき声は投票行動によって確実に社会胎動へと直結する。そう信じることが先決だ▼冒頭の老犬話。日々の給餌内容はドッグフードだが、愛がんゆえの“おやつ”が元凶かも。健康長命を願えばこそ、根くらべはもう結構。
