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  • 2025/05/07 (水)
  •  大型連休は終わったが、新茶と春メロンの生産者は連休返上で収穫の繁忙期▼特に春メロンは、郡市の特産品として根強い人気がある。JAくまが毎年開催している即売会には早朝から大勢の人が詰め掛け、中には何箱も購入する人も。その多くは、親類や知人への贈答品。甘い香りと味は定着している▼現在、栽培されている9割はアンデスメロン。高級感のある果皮のネット、緑色の肉質とまろやかな味わいで人気があるが、一方で激減しているのは、かつての主力品種プリンスメロン▼果皮は白くつるりとした外観でオレンジ色の肉質、濃厚な甘さと香りが特徴。水田裏作として旧中球磨農協が導入して郡市で広がり、最盛期の昭和63年には栽培面積282ヘクタール、平成3年には販売額33億円を超え、郡市の基幹作物に成長した▼しかし、消費者の嗜好の変化、栽培面では芽摘みなど手間がかかることもあって年々減少。ことしの生産者はわずか6戸で0.5ヘクタール。“庶民のメロン”は存亡の機にある▼プリンスに限らず、春メロン全体の栽培面積も生産者の高齢化から現在は約20ヘクタールまで減少。やがて導入から半世紀。今後も旬が味わえることを願う。

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