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2025/04/03
(木)
- 3、4月は別れと出会いの季節。転勤や進学、入社に退職など悲喜こもごもは毎年のことだが、その対象がわが子ともなれば話は別。別れのつらさが募る▼こう述べれば過保護や盲愛と指摘されそうだが、親子の関係性とその慈愛のほどは周知のとおり。100歳に近い母親が高齢の息子の手を引く姿を目撃したことがある。ほほ笑ましさは感じても、このどこがおかしかろう。過干渉や強制的な管理など愛情を盾にしたわが子の自立阻害は論外だが▼かの吉岡たすく氏は「…別れを子どものときからできるだけ多く体験させることが、より大きい人間に育てあげる…」と述べる。希望を抱き前しか見ない子どもたちと、わが子を中心に社会を俯瞰する親、双方の心理の違いから、その悲嘆度合いはおのずと異なるはず。親は寂しいばかりだ▼子育てでは必要最低限の世話を果たし、傾聴など共感を高めて相談の機会を増やす。そして求めに応じて手助けする距離感が重要と思うが、この理想どおりに進まないのも育児の醍醐味だ。まさに親も育てられるといえそう▼吉岡氏は「いかに美しく別れていくかということが人間を一段と高めていく」とも。耳に痛いなぁ。