HOME>>瀬音

  • 2025/01/20 (月)
  •  大相撲の第73代横綱・照ノ富士が現役引退を表明した。糖尿病けがなど苦難を乗り越えて横綱に昇進し、通算10回の賜杯を抱いた。今後は後進の指導に尽力するという。お疲れ様でした▼ただ、これにより大相撲の最高位は空位となった。綱取りを狙う大関、関脇、小結の三役、白星を重ねる新鋭の前に大きな壁として立ちはだかる横綱の存在はとてつもなく大きい。次は誰がその頂に登り詰めるのだろうか▼ビジネスの世界で使われる「横綱相撲」という言葉は「負けない」ことを第一に考えて会社の顔として働き、つらいときは土俵際で耐える人物を表す。その責任感と意志の強さは経営者にとって最も重要なファクター。相撲の世界から学び、得ることは多い▼横綱は取組の内容、立ち居振る舞いなど一挙手一投足が注目される存在。もちろん、裏には血のにじむような努力があり、他者の見本、憧れ、目標となって一時代を築いてきた▼引退会見で「自分にうそをつかず、自分を曲げない力士を育てたい」と語った照ノ富士。不屈の精神で相撲を取ってきた横綱の顔から笑みがこぼれた。現代人に必要なのは困難に立ち向かい、乗り越える強靭な精神力かもしれない。

トップへもどる