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  • 2025/01/18 (土)
  •  ひと昔前より多少、緩んだ感はあるがそれでも人生は依然として選択と競争の連続と思う。競争原理の多い社会構造自体は今も変わらない▼競争といえば、きょうから大学入学共通テストが始まった。受験生には人生の進路を決める大きな節目であり、成否の行方を左右する1点を求めて気は抜けない。まさに受験戦争のただ中だ。そこには、競争より協調を重視し“みんな”という魔法の言葉で優劣をごまかす手法は通じない。あくまで個人結果が全てだ▼約30年前にはすでに競争を否定的に捉えた、運動会の徒競走廃止論があったと思う。過度な順位付けは問題だが競争結果、いわゆる勝ちと負けに学ぶ機会も奪っては成長思考をも損じるはず。優劣や勝負の差異が人の尊厳に及ばないのは常識だが、われわれ大人社会の言行にてそのもろさが露呈するのも事実だ▼国力低下の際立ちと比例し、生きるための競争を強いられる国民が増えたように思う。これにより心の余裕が減少し扶助意識も希薄化したためか、利己的な場面にもよく遭遇する。将来に希望を抱きづらい世知辛い世となった▼それでも未来に期待し試験に臨む若者の姿に、大人としての良心が痛む。

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