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  • 2024/12/11 (水)
  •  今週に入り冷え込みが厳しさを増してくると、恋しくなるのは温かい鍋物や温泉、辛党なら球磨焼酎だろう▼昨日の本紙にもあったが、球磨焼酎産地にとって朗報となったのは、ユネスコ(国連教育科学文化機関)による「伝統的酒造り」の無形文化遺産登録。焼酎や日本酒に共通している伝統的技術は、米など穀物を原料に「麹」で発酵させる点▼麹は、酒造りだけでなく和食に欠かせない味噌、醤油などにも使われている。昭和の時代、田舎の商店でも白いカビに覆われた板状の麹が売られ、わが家でも甘酒を手造りしていたのを思い出す。それだけ身近な存在だった▼球磨焼酎の蔵元も郡市各地に存在。わが村の焼酎として農作業後の晩酌に愛飲されていたが、近年は人口減少や若者のアルコール離れもあり、昔に比べると消費量は減少。各蔵元では、販路拡大へ多種多彩な商品開発、海外輸出に力を入れている▼11年前、無形文化遺産に登録された「和食」は、世界から注目されるようになり、訪日外国人による消費が伸びたという。米主体の和食と合わせやすい酒は、米と麹を原料とする焼酎や日本酒。今回の登録が消費拡大につながることを願う。

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